不動産を売却したら翌年の介護保険料が上がるの?3つのポイントで解説

介護保険料
不動産売却で介護保険料が上がるってホント?

こんな疑問にお答えします。

 

結論から言うと、一定の要件を満たせば不動産を売却しても介護保険料は上がりません

正確には、2017年以前は不動産売却によって利益が出ると介護保険料が値上がりしていましたが、2018年に介護保険制度が改正され、減免されることになりました。

今回は、不動産売却時の介護保険料について詳しく解説します。

 

記事の信頼性
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
現役の不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。 このサイトから多数の査定依頼を受けています。(NHK・経済誌の取材実績も)

不動産無料査定申し込みはこちら
STEP1都道府県を選択
STEP2市区町村を選択

介護保険料のしくみ

介護保険料とは、健康保険料と合わせて納める保険料で、40歳から支払いの義務が生じます。
会社員の方は、給与から天引きされています。

自営業など個人事業主の方は、国民健康保険料に上乗せされて徴収という形です。

年金をもらっている方もそこから天引きされていますので、40歳以上の方は全員支払っているということです。

介護保険料は所得によって金額が決まり、所得が高いほど保険料も高くなります。

2018年に介護保険料の見直しがされるまで、不動産売却による譲渡所得もその年の所得に加算されており、そのため翌年の介護保険料が上がっていました。

それが、不動産を売却すると介護保険料が高くなると言われていたゆえんです。

2018年に見直された主な理由は、東日本大震災で被災された方への配慮からです。被災された方の中には、その土地に住みたくてもやむを得ず手放した方も多くいます。

仕事もままならず新居にもお金がかかるところに、介護保険料が値上がりすることに異論が出たのです。

そういった経緯から見直しがされました。

介護保険料が上がるポイントは特別控除後の所得です

2018年の介護保険料改正前は、特別控除が適用される前の所得で介護保険料の計算がされていました。

そのため、特別控除で譲渡所得がなくなり、税制面では優遇を受けたとしても、介護保険料は値上がりするということが起こっていたのです。

現在は税制と同じく、特別控除の適用後の所得を基準に算定されるようになりました。

 

介護保険料が値上がりしない条件

介護保険料が値上がりしない条件は、譲渡所得がゼロになる場合です。

不動産を売却し、利益が出ると譲渡所得となります。

この譲渡所得に対し、所得税・住民税、そして介護保険料等が発生するのですが、マイホームの売却の場合は様々な税金軽減の特例で、譲渡所得を減らすことができます。

譲渡所得をゼロにできれば、所得税・住民税が値上がりすることもなく、介護保険料も上がることはなくなります。

では、どのような特例を利用すれば譲渡所得をゼロにすることができるのでしょうか。

以下で解説していきます。

 

特別控除の適用を受ける

不動産売却において、一番有名な特例は「3,000万円特別控除」です。
この特例は、マイホームの売却によって発生した譲渡所得から、3,000万円が控除されるという特例です。

例えば、マイホームを売却して2,000万円の譲渡所得があったとします。
その譲渡所得に対し3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得は0円になります。

譲渡所得がゼロならば、所得税や住民税、介護保険料も上がることはありません。

参考:5分でわかる!3,000万円特別控除とは?【マイホーム編】

 

対象となる特別控除の種類

マイホームの3,000万円特別控除の他にも、特例としていくつかの特別控除があります。
その種類と控除額は以下の通りです。

  1. 公共事業などのために土地建物を売却した場合の5,000万円の特別控除
  2. マイホーム(居住用財産)を売却した場合の3,000万円の特別控除
  3. 特定土地区画整理事業などのために土地を売却した場合の2,000万円の特別控除
  4. 特定住宅地造成事業などのために土地を売却した場合の1,500万円の特別控除
  5. 平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の1,000万円の特別控除
  6. 農地保有の合理化などのために土地を売却した場合の800万円の特別控除
  7. 低未利用土地等を売却した場合の100万円の特別控除

 

介護保険料が増額されるケース

一方、介護保険料が増額されるのは、譲渡所得がゼロにならなかった場合です。

どのような場合に譲渡所得がゼロにならないのか説明していきます。

 

特別控除が適用されない場合

特別控除の特例には様々な適用条件があります。
それに適用しない場合は特別控除を利用することができません。

マイホーム3,000万円特別控除を例にすると、以下のマイホームの定義に当てはまらないものは特別控除が適用されません。

  • 現在自分が住んでいる住居や、その住居と同時にその敷地を売却する場合
  • 転居してから3年後の12月31日までに、居住していた住居やその住居と同時にその敷地を売却する場合
  • 住居を解体した場合、解体してから1年以内か、転居してから3年後の12月31日までかどちらか早い日までに売却した場合
  • 災害等で住居が消失した場合、その日から3年が経過する12月31日までに、住居があった敷地を売却する場合
  • 住居を解体した場合、その敷地を賃貸したり住居用以外に使用したりしていないこと
  • 売主と買主が親子・夫婦・親戚などの関係ではないこと
適用されない例
  • マイホーム特例を受けるためだけに入居したとみられる家屋
  • 仮住まいや一時的に入居したとみられる家屋
  • 別荘など、趣味・娯楽・保養のために保有している家屋

 

特別控除が適用されても利益がでる場合

特別控除が適用されても売却益が出る場合、譲渡所得税が課税され介護保険料も上がります。
3,000万円特別控除が適用された時の譲渡所得は、下記の計算式で算出されます。

譲渡所得=売却額-取得費-経費(譲渡費用)-3,000万円

取得費とは、購入したときの金額とかかった費用の合計金額、経費(譲渡費用)とは、売却したときにかかった費用のことです。

具体的には

取得費
  • 土地の購入代金
  • 減価償却費を控除した建物の購入代金
  • 印紙税、登録免許税、不動産取得税などの購入時にかかった税金
  • 購入時の仲介手数料
  • 測量費、整地費、建物解体費など
  • 設備費、改良費
  • 購入時にかかった立ち退き料や移転料
  • 借入金利子
譲渡費用
  • 売却時の仲介手数料
  • 測量費
  • 広告費
  • 印紙税
  • 売却時に支払った立退料
  • 建物解体費

などです。

参考:土地売却にかかる費用全7種類をまとめて紹介

<マイホームを売却した場合の例>

売却額4,000万円、取得費3,000万円、経費(譲渡費用)150万円の場合

譲渡所得=4,000万円-3,000万円-150万円-3,000万円=-2,150万円

マイナスの場合は課税所得がゼロになるので、譲渡所得税もゼロで、介護保険料もあがりません。

 

不動産売却時の介護保険料は不動産会社に相談すること:まとめ

不動産売却の時に特別控除が適用されれば、介護保険料の値上がりはほとんどないでしょう。

気になる時は、不動産査定や売却を依頼した不動産会社に聞いてみると安心ですね。

不動産無料査定申し込みはこちら
STEP1都道府県を選択
STEP2市区町村を選択