相続不動産の売却時に必要な遺産分割協議について5つのポイントで解説

遺産分割協議書
  • 相続で遺産分割協議をしなくてはならなくなった
  • そもそも遺産分割協議ってなに?

こんな要望にお応えします。

 

家族が亡くなった際、相続が発生します。その際は、被相続人が亡くなった日の翌日から10ヵ月以内に相続税の申告を行わないといけません。

そこで、相続税の申告・納付の前に遺産を相続人全員に分配する必要があります。

法的に有効な遺言書があれば良いのですが、突然亡くなった場合などに遺言書がない場合もあります。遺言書がない場合、被相続人の財産をどのように分配するのかを話し合うのが「遺産分割協議」です。

「遺産分割協議」を行った後、作成するものが「遺産分割協議書」になります。

手順も含めて5つのポイントで解説していきます。

 

記事の信頼性
監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太
現役の不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
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遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、相続人全員で、法律とは異なる割合で相続遺産の分配割合を決定する話し合いです。

1人でも不参加の場合は無効となってしまうので、相続人全員の参加が必須です。

遺産分割協議は遺言書がない場合に行うもので、遺言書がある場合は遺言書通りに分配します。

 

遺産分割協議書とは

遺産分割協議書とは、遺産分割協議で相続人全員が合意した内容を文書にしたものです。話し合いで取り決めたことを記録し、全員の署名・捺印の後、印鑑証明書を添付し、1部ずつ保管します。

遺産分割協議書が必要なケース

遺産分割協議書が必要なケースは以下の場合です。

  • 遺言書がなく、民法で定められた相続割合(法定相続分)で遺産を分ける場合
  • 遺言書に書かれていない財産を分ける場合
  • 遺言書に書かれている財産であっても、法的に無効な遺言書の場合

書き加え・修正が正しくできていない、被相続人の筆跡ではない、認知症で正常な判断能力がない等、遺言書が法的に有効だと認められない場合は、遺産分割協議書が必要です。

 

遺産分割協議書作成のタイミング

遺産分割協議書は、すぐに作成するのが良いでしょう。

実は、遺産相続協議書自体の作成については期限がなく、相続が発生してから数年後に作成しても全く問題はありません。

しかし、相続税の申告期限が10ヵ月以内と決められています。この申告期限までに遺産分割協議書が作成されないと、基礎控除を除く控除や特例が利用できなくなります。

そして、申告期限を守らないと利息にあたる延滞税や無申告の罰則として無申告加算税が発生してしまいます。遺産分割協議書の作成が間に合わない場合は、先に仮申告をして、その後修正申告をするようにしましょう。

 

遺産分割協議書を作成するメリット

必要でない場合もありますが、遺産分割協議書を作成するメリットとして挙げられるのは主に2つです。

相続のトラブルを防ぐ

遺産分割協議書を作成する時は、相続人全員が遺産分割協議に参加します。

そして、相続人全員が合意したことを証明するのが遺産分割協議書です。

相続人の間では、認識の相違があったり、後になってから異論を唱える人が出てきたりということがよく起こります。遺産分割協議書を作成しておくと、そういった相続に起こりがちなトラブルを防ぐことができます。

参考:兄弟で実家を相続したときの8つのトラブル事例と6つのステップ

 

相続手続きの時に必要な場合がある

不動産、株等の有価証券、車などの名義変更は、遺産分割協議書が必要です。

銀行の通帳の名義変更は、各銀行の所定の手続きで変更することも可能ではありますが、書類に相続人全員の署名が必要です。

複数の銀行での名義変更をする場合は、遺産分割協議書を利用して手続きを行った方がスムーズでしょう。

 

遺産分割協議書の作成手順

遺産分割協議書作成の手順は以下の通りです。

  1. 相続人を確定する
  2. 被相続人の財産を確定する
  3. 遺産分割協議を行う
  4. 合意した内容を遺産分割協議書に記載する

 

①相続人を確定する

遺産分割協議は相続人全員で行わなければ無効です。そのため、被相続人の戸籍謄本等を取り寄せ、相続の対象となる相続人を確定させます。
戸籍謄本により、隠し子の存在や、養子縁組をしていることが判明することがあります。

 

②被相続人の財産を確定する

被相続人が所有していた財産を調べて確定させます。財産には、現金・預貯金・株・不動産等のプラスの財産だけではなく、ローンなどの借金等、マイナスの財産も含まれるので注意が必要です。

 

遺産分割協議を行う

まず遺言書がないかを確認しておきましょう。遺産分割協議では、相続人全員でどのように遺産を相続するかを話し合います。
未成年の相続人がいる場合は、代理人(主に両親)が参加します。この遺産分割協議は、相続人全員の同意が得られるまで開かれます。
遺産分割協議で合意ができなかった場合は、遺産分割調停から遺産分割審判へ、また場所を家庭裁判所に移すことになります。

 

合意した内容を遺産分割協議書に記載する

遺産分割協議で相続人全員の合意を得られたら、遺産分割協議書を作成し、その内容を記載します。

 

遺産分割協議書の公正証書化

遺産分割協議書は私文書です。遺産分割協議書を公正証書にすると公文書となり、公的な証明力を持つことになります。

合意内容を公文書として書面にしておくことで、相続人間での将来的なトラブルを回避することができます。

 

公正証書を作成するメリット

  • 相続手続きをスムーズにできる

公正証書化で証拠能力が強い書類となるので、名義変更、登記等をスムーズに行うことができます。

  • 将来的なトラブルの危険を回避できる

 ・解釈の違いやずれが生じるような複雑な内容である
 ・脅された、書き替えられたと言われるような恐れがある
 ・財産が高額・多種類ある

上記のようなトラブルに発展しそうな状況の場合は、公正証書を作成した方が安心です。

  • 不動産の代償分割等の場合

不動産を一人の相続人が相続し他の相続人に代償金を支払うという、後日支払が発生するケースでは、代償金が支払われないトラブルが発生する可能性があります。

公正証書化しておくことで防ぐことができます。

  • 紛失や改ざんの不安をなくせる

公正証書は、原本が公証役場で20年保管されるので安心です。

 

公正証書を作成するデメリット

遺産分割協議書を公正証書にするメリットは多くありますが、作成するのには費用がかかります。また、公正証書に記載する財産の金額が高くなるほど、費用も上がります。

作成に時間を要するのもデメリットといえるでしょう。

 

まとめ

遺産分割協議書は、被相続人の遺言書がなく、複数の相続人がいたり、多数・多額の財産があったりする場合に作成されるものです。

相続人が一人の場合、有効な遺言書がある場合には必要がないことも多いです。

相続がきっかけで被相続人同士のトラブルも多く発生しています。普段より、相続についてしっかり話し合っておくことも大切です。

 

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