外国人が日本で不動産売却を行う際に必要な手続き3つのポイント

外国人不動産売却

近年、日本の不動産を外国人が売却するケースが増えています。人の動きのグローバル化が進みつつある現在、この傾向は今後さらに強まっていくでしょう。ただ、日本の非居住者である外国人が不動産売買を行う場合、日本語を十分に理解できないということもあり、さまざまな問題点にぶつかることも多いです。

そこで今回は、外国人が日本で不動産の売却を行う場合、どのような手続きを経る必要があるのかについて詳しく解説します。

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外国人が日本で不動産売却を行う際の必要書類

登記簿謄本

たとえ外国人であっても、日本で不動産の取引を行う以上、日本人と同様の書類上の手続きが必要です。ただ外国人の場合、在留期間によって用意すべき書類は変わってきます。具体的には、3カ月以上の在留が許可されている「中長期在留者」および永住的に住むことが許可されている「特別永住者」の場合と、「短期在留者」および「海外居住者」の場合とで、必要な書類が異なるので注意しましょう。外国人でこれから不動産売却を行いたい方は、まず自分がどの在留者に該当するのか確認する必要があります。

中長期在留者および特別永住者の場合、必要な書類は日本人とほぼ同じ

在留期間が長い中長期期在留者、特別永住者の外国人が日本で不動産売却を行う場合、必要となる書類は以下のとおりです。

  1. 身分証明書(パスポートや運転免許証など)
  2. 住民票
  3. 印鑑証明書
  4. 権利書または登録識別情報
  5. 登記簿謄本
  6. 固定資産税評価証明書
  7. 土地測量図および境界確認書(一軒家の場合)、もしくは管理規約や維持費などの書類(マンションの場合)

中長期在留者や特別永住者のような日本に3カ月以上在留できる外国人は、日本人と同様住民登録や印鑑登録を行えます。以前は「外国人登録書」という身分証明書がありましたが、2013年に住民基本台帳法が改正され、外国人でも住民票を作成できるようになりました。外国人のうち中長期在留者など、長期にわたって日本に滞在する人は、届け出を行った市区町村窓口に申請をすることで、住民票をその場でもらうことができます。印鑑証明書についても同様です。中長期在留者や特別永住者であれば住居を届け出ている市区町村に印鑑登録ができ、申請すればいつでも印鑑証明書をもらえます。

短期在留者および海外居住者の場合、代替書類を用意する必要があります。

在留期間が短い短期在留者や海外居住者だと、中長期在留者などとは提出すべき書類の内容が変わってきます。短期在留者、海外居住者が用意する必要がある書類は以下のとおりです。

  1. 身分証明書(パスポートや運転免許証など)
  2. 住民票を代替する宣誓書
  3. 印鑑証明書を代替するサイン証明書(登記委任状)
  4. 権利書または登録識別情報
  5. 登記簿謄本
  6. 固定資産税評価証明書
  7. 土地測量図および境界確認書(一軒家の場合)、もしくは管理規約や維持費などの書類(マンションの場合)

注目すべきは②住民票を代替する宣誓書と③印鑑証明書を代替するサイン証明書の部分です。中長期在留者など以外の短期在留者や海外居住者だと、日本で住民票の登録を行うことができません。そのため、外国人が日本で不動産売却を行う場合、本人の本国における住所を証明する宣誓書(本国の公証人もしくは在日大使館が正しい住所の記載がされていると認めた宣誓供述書)を用意し、それを住民票の代替書類とする必要があります。あるいは、本国の官公署において発行された、住所を証明する住民登録証明書でも問題ありません。

印鑑証明書も同様です。短期在留者や海外居住者では市区町村で印鑑登録を行えないので、代替書類を用意する必要があります。代替書類となるのは、在日大使館もしくは本国の官憲で発行された「サイン証明書」、もしくは在日大使館に提出して認証してもらった「登記委任状」です。スムーズに不動産売却取引を勧めたいならば、事前に必要な書類の手続きを確実に行っておく必要があります。

源泉徴収が必要な場合・不要な場合

源泉徴収

外国人が日本国内で不動産を売却して利益を得たとき、源泉徴収が必要な場合と、不要な場合とがあります。どのような場合に必要、不要となるのかを以下で解説しましょう。

源泉徴収が必要な場合は、外国人から不動産を購入した人が源泉徴収を行う

日本の税法上における区分によると、外国人、外国法人、さらに転勤などにより海外で1年以上生活している日本人は「非居住者」と位置付けられます。この非居住者が日本の不動産を売却するとき、原則として購入者側が、購入代金の10.21%を源泉徴収して税務署に納めなければなりません。つまり、不動産を売却した外国人は、実際の取引成立価格の89.79%の金額しか受け取れないわけです。

このような源泉徴収が行われる大きな理由は、日本で発生した利益(不動産売却益)から確実に税金を徴収するためです。非居住者が日本で利益を得たら、すぐにその金額を外国の銀行などに送金することが多く、いったん海外へ送金されてしまうと、後になってから改めて所得税を課税するということが難しくなってきます。そのため、取引が行われたその時点で源泉徴収として徴収するのです。

外国人で日本の税法に疎い場合、この不動産売却における源泉徴収で混乱するケースが多く見受けられます。たとえば、住宅ローンがまだ残っている不動産を売却する際、源泉徴収されることで資金計画が大きく変わる、ということも起こるわけです。外国人は「日本で不動産を売却すると源泉徴収が発生し、購入者が納税するという仕組み」をしっかりと把握し、あらかじめ対策を考えておく必要があるでしょう。

売却額が1億円以下の場合や買主が居住目的で購入した場合は、源泉徴収の必要はない

ただし、源泉徴収が不要な場合もあります。その1つのケースが、不動産の売却額が1億円以下の場合です。源泉徴収が発生すると売却額が1割減ることになるため、「1億円を超えるかどうか」はかなり重要なボーダーラインといえます。

そして2つ目のケースが、購入者が個人であり、購入した不動産を自分または親族の居住用に利用する場合です。この場合も源泉徴収は必要ありません。なおここでいう親族とは、自分の配偶者、父、母、祖父、祖母、子ども、兄弟姉妹、叔父、叔母、甥、姪などです(6親等内の血族と3親等内の姻族)。

外国人が日本で不動産売却する際の手順や注意点について解説!

不動産売却仲介

では最後に、外国人が日本で不動産を売却する際の手順、注意点について解説します。注意点としては契約内容をきちんと理解すること、そして信頼のおける不動産業者を見つけることです。

外国人が日本で不動産を売却するときの手順を紹介

不動産売却を行うまでの一連のプロセスは以下のとおりです。

  1. 不動産の売却条件を決める
  2. 不動産売却に必要な書類を用意する
  3. 不動産業者に売却額の査定を行ってもらう
  4. 査定額を参考にして、実際の販売価格を決める
  5. 仲介をお願いする不動産業者と媒介契約(不動産を売るための営業活動をしてもらうための契約)を締結する
  6. 不動産を売りに出していることが公となる
  7. 購入希望者と交渉する
  8. 購入希望者と売買契約を結ぶ
  9. 不動産を購入者に引き渡す

取引によって多少内容は変化しますが、外国人が日本で不動産売却を行うときは、おおむねこのような流れで行われます。

日本語が難しくても契約内容を把握することが重要

外国人が日本で不動産を売却するとき、大きなネックとなるのが契約書などの書類の中身をどれだけ理解できるのか、という点です。そもそも日本人であっても、日本語で書かれている契約書の内容は法律用語が多くて理解しにくい面があります。外国人であれば、なおのこと理解は難しいでしょう。しかし、契約書などの重要書類には不動産の売り主が理解しておくべき内容が多く盛り込まれています。内容理解に向けた対策の1つが、外国人の不動産取引への対応力が高い仲介業者を探すことです。外国語に対応できる、外国人と接するのに慣れている不動産業者であれば、契約書などの内容について質問すると丁寧に説明してくれるでしょう。

信頼できる不動産業者を探すには複数の業者を比較検討することが大事

外国人への対応力が高く、信頼のおける不動産業者を探すには、複数の業者を比較検討することが大切です。特に、日本語の理解度が低い外国人の場合、悪徳不動産業者に仲介をお願いしてしまうと、大きな損失を被る原因にもなりかねません。たとえば、不動産業者が自分で買い手を探し、売り手と買い手の双方から仲介手数料を取るために、ほかの業者に物件の情報を公開しないという「囲い込み」がその典型例です。囲い込みをされると買い手が特定されるので、売る側はより高く売る売却機会を失います。こうした悪徳不動産業者に仲介を頼まないようにするためにも事前の情報収集が欠かせません。

外国人が日本で不動産売却を成功させるためには事前準備が大切!

日本で不動産売却を外国人が行う場合、①必要書類をきちんと用意すること(特に住民票と印鑑証明書に要注意)、②売却時に源泉徴収が発生すること(購入者が税務署に納税する)、③不動産売却時の手順と契約内容を理解すること、そのためにも信頼のおける不動産業者に仲介を頼むこと、の3点が重要なポイントです。どのポイントも、場当たり的に対応していたのでは、望む形での不動産売却は難しくなるでしょう。海外にいる段階からインターネットなどを通じて情報を収集し、対策を考えておくことが大切です。もし日本人に信頼できる友人や知人がいる場合は、積極的に相談するとよいでしょう。日本語理解の手助けをしてくれるだけでも、取引を進めるうえで大きな助けとなるはずです。