生活保護を受ける前に不動産売却について知っておくべき4つのこと

家とお金

家や土地を持っていると生活保護を受けられないの?

こんな疑問にお答えします。

 

結論、生活保護を受ける場合は「所有している不動産を事前に売却しなければならない」のが原則です。

ただし、条件によっては、不動産を持ったまま生活保護を受けることもできます。
生活保護の受給要件は少し複雑なので、不動産の扱いについての基礎知識をしっかり押さえておきましょう。

今回は、持ち家や親族から相続した田舎の土地等を持っている人に向けて、生活保護における不動産売却ルールについて解説していきます。

 

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監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役/宅地建物取引士 上野 健太
不動産業者としての経験(取引実績延べ200件超)を生かし、売主の立場で記事を監修しています。このサイトから多数の無料査定依頼を受けています

 

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生活保護を受ける場合は所有不動産を売却するのが原則

資産の売却

生活保護を受けるためには、基本的に持っている家や土地の売却が必要です。

まずは、生活保護の基本的な受給要件を押さえていきましょう。

 

生活保護を受けるためにはさまざまな資産を処分する必要がある

生活保護は、憲法で定められた「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を守るための社会保障制度です。

ただし、その対象は「なんらかの事情があって自分で生活できない世帯」に限られます。

生活保護費の出どころは税金なので、不動産や車等の資産を持っている場合、先に売れるものを売ってお金を作るのが原則です。

資産を持っていて自分で生活できる可能性がある場合は、生活保護を利用できません。

 

生活保護の受給要件まとめ

生活保護の受給要件は、以下4つの要件を満たしたうえで、憲法によって保障された「健康で文化的な最低限度の生活」ができない状態であることです。

  1. 不動産や車等の所有資産を売却する
  2. 心身が健康な場合は仕事をする
  3. 年金をはじめとした各種制度を利用する
  4. 親族から援助を受ける

 

①不動産や車等の所有資産を売却する

1つ目の要件は、生活保護を受給する場合、基本的にまとまった金額で売却できる資産は売却する必要があります。売却の対象となるのは、不動産や車、骨董品や美術品などです。

ただし、服やベッド、洗濯機等の日常生活に必要な家具・家電・アイテムに関しては、売却する必要がありません。

なお、ある程度の期間生きていけるだけの預貯金がある場合、生活保護ではなく自身の貯金を使って生活するように案内されます。

また、ある程度資産価値の高い持ち家がある場合は、不動産を担保にして月々の生活費を融資してもらえる、「長期生活支援資金貸付制度」が利用可能です。

地価の高い都市部に持ち家がある人は、生活保護ではなく長期生活支援資金貸付制度の利用をおすすめされるケースが多いため、覚えておきましょう。

関連記事:リバースモーゲージがマンションに適用される条件について詳しく解説

 

②心身が健康な場合は仕事をする

2つ目の要件は、仕事をする努力です。生活保護費をもらえる人も、最大限働くための努力をする必要があります。

生活保護は、必要最低限の生活に必要な金額を設定し、受給者の収入で足りない部分をカバーする制度です。仮に、生活保護費が13万円だとしたら、月5万円の収入がある人は差額の8万円が給付されます。

働いてお金をかせぐことができる場合、そのぶん税金の負担を減らせるので、仕事ができるなら何らかの方法で収入を得ると良いでしょう。

 

③年金をはじめとした各種制度を利用する

3つ目の要件は、年金や給付金といった生活保護以外の制度を活用することです。

たとえば、会社を退職して収入が途絶えた人は、失業給付をもらうことができます。生活保護は国が用意した最後の救済策なので、ほかの制度で生活を安定させられる場合、制度を利用できません。

社会保障制度や給付金に関しては、国だけでなく県や市区町村の予算でも実施されています。自分を助けてくれる制度があること自体を知らない場合もあるので、困ったときは役所の窓口で相談してみましょう。

 

④親族から援助を受ける

4つ目の要件は、親族に扶養してもらうことです。親類縁者がいて、生活費を援助してもらえる場合、生活保護を受けることはできません。
ただ、親族が生きていても、扶養や援助を拒否されれば、生活保護の申請が可能です。

このように、生活保護を利用する場合、申請者は不動産売却を含めたあらゆる努力を求められます。ただし、実際に手持ちの不動産を売るべきかどうかは不動産次第です。

「売ってほしい」と判断されることもあれば、「売らなくても良い」と判断される場合もあるので、生活保護の受給を考えているなら、売却の基準を知っておきましょう。

 

ローンの残っている持ち家など!売却の必要な不動産を紹介

ローンの残っている家

生活保護の受給時に売却すべき不動産は、以下の4種類です。

  • 住宅ローンが残っているマイホーム
  • 2,000万円程度で売れる持ち家
  • 賃貸物件として運用しているアパート・マンション・一戸建て
  • 土地の広いマイホーム

 

住宅ローンが残っているマイホーム

住宅ローンを完済していない持ち家は、売却を求められます。

なぜかというと、住宅ローンを抱えた状態で生活保護費を受給すると、間接的に国の税金でローン返済を手助けすることになってしまうからです。

ただし、自治体によっては「数年でローンを完済できる」「ローン残債が300万円を切っている」といった場合に限り、マイホームを売らずに生活保護を受けられるケースもあります。

 

2,000万円程度で売却できる不動産

基本的に、高く売れる資産は売却の対象です。

地域によって土地の価格が違うため、具体的な金額は変わってきますが、おおよそ売却価格が2,000万円を越えてきたら売却が必要になると考えておきましょう。

 

賃貸不動産も原則として売却が必要

  • アパート
  • マンション
  • 一戸建て
  • 貸地
  • 民泊物件

上記のような他人に貸し出して賃料を取っている賃貸物件は、売却が必要です。

ただ、築年数が古く、売るよりも所有していたほうが家賃収入等で生活保護費を減らせる場合、賃貸物件でも所有を認めてもらえます。

 

家に対して土地が広い場合は一部土地の売却を求められることも

田舎の住まいなどに良くあるケースですが、「建物と家を比べた場合、圧倒的に土地のほうが広い家」に関しては、余っている土地部分の処分を求められることがあるため、覚えておきましょう。

不動産は、持っているだけで毎年固定資産税という維持費がかかる財産です。

土地を利用する予定がない場合は、「分筆」という手続きで土地を分割してから売却したほうが維持費も節約できます。

 

資産価値の低いマイホームなど!売却しなくても良い不動産の種類

  • 資産価値の低いマイホーム
  • 売るのが難しく売却費用で赤字になってしまう不動産
  • 生活や事業の維持に必要な広さの農地や店舗
  • 生活保護費に影響しない程度の利用価値がある山林・原野

上記のような不動産は、売却せずに生活保護を受けることが可能です。

 

売ってもお金にならない資産価値の低いマイホーム

中古不動産は、基本的に「ほしい人がどれだけいるか」で売却価格が決まります。

建ててから30年以上経過している古い住まいや、需要の低い田舎・郊外の持ち家は、高値で売ることができません。

売っても生活費の足しにならず、むしろ新しく賃貸物件を借りるための費用が負担になってしまう場合は、マイホームを売らずに生活保護を受けられます。

 

売るのが難しく売却費用で赤字になってしまう不動産

適正価格で売るために、リフォームや建物解体、隣地の買収等が必要になる不動産は、所有を認められる可能性が高いです。

不動産売却費用が高いと、家や土地を売っても手元にお金が残らないため、無理に売る必要がないと判断してもらえます。

 

生活や事業の維持に必要な広さの農地や建物

事業に使っている不動産や、自給自足のために所有している農地等は、売却の対象外。

農地や店舗を使った事業収入が、生活保護費の基準以下なら、事業を営みながら生活保護を受給できます。

 

生活保護費に影響しない程度の利用価値がある山林・原野

不動産由来の収入が生活保護費を越えない程度であれば、山林や原野も処分の対象にならないケースが多いです。

そもそも、山や原野は非常に売却が難しく、コストもかさんでしまうため、無理に売却を求めても買い手を見つけられないという問題もあります。

ただし、山林や原野を使って生活保護費以上の収入を得られる場合は、生活保護を受けられません。

 

保護費の返還が必要に!?生活保護の受給中に不動産売却をする場合の注意点

返済

生活保護の受給中に、不動産売却をする場合の注意点は、以下の4つです。

  • 売却で利益が出たら生活保護費の返還を求められる
  • 売却代金で生活を立て直せる場合は生活保護が打ち切りになることも
  • 不動産売却をした翌年に確定申告が必要になる
  • 売却価格が黒字になったら譲渡所得税の納税も必要

不動産売却で利益が出た場合、いままでに受け取った生活保護費の返還を求められます。

生活保護費を返還し、それでも売却代金が余った場合は次回以降の生活保護費が減額される場合もあるため、覚えておきましょう。

また、不動産売却をきっかけにして生活を立て直すことができた場合、生活保護に頼らなくても生活していけると認められれば、生活保護そのものも打ち切りです。

また、売却価格が黒字になると、「譲渡所得税」という税金が発生します。

税金を納めるためには、不動産売却をした翌年に「確定申告」という手続きも必要です。

確定申告は、税の特例を使って節税したり、納税額を確定させたりするための手続きなので、赤字でも黒字でも、生活保護中に不動産を売ったら忘れずに手続きをしましょう。

 

生活保護を受ける場合は不動産の扱い方を知っておこう:まとめ

生活保護を受ける場合、原則としては持っている土地や建物を売却する必要があります。

ただし、売ってもお金にならないマイホームや、処分すると赤字になってしまう不動産などは、売却不要です。

住んでいる場所や不動産の条件によって、家を売るべきか売る必要がないかが変わってきます。

まずは、所有している不動産の適正価格を調べることが大切なので、生活保護の受給を考えているなら、不動産会社に査定を依頼しましょう。

 

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