既存不適格物件とは?知っておくべき定義や売却時の注意点

法律を守れなくなった物件
  • 既存不適格物件って何?
  • 既存不適格物件は売却できるの?

こんな疑問にお答えします。

 

既存不適格物件とは、法改正の影響で、法律を違反している状態になってしまった不動産のことです。

既存不適格物件は一般的な物件よりもデメリットが多いので、下準備なしで不動産売却を始めても、多くの場合期待した価格や期間で売却することができません。

ここでは、既存不適格物件売却の注意点や売却のポイントをお伝えします。

 

記事の信頼性

監修者:毎日リビング株式会社 代表取締役・宅地建物取引士 上野 健太

現役の不動産業者としての実務経験を活かし、売主の立場で記事を監修しています。
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既存不適格物件とは法改正によって法律を守れなくなった住まいのこと

密集した住宅地

既存不適格物件とは、法改正によって法律違反になった住まいのことです。

 

建築基準法や各種法令の改正で違法になった物件

既存不適格物件とは、「建築基準法」「都市計画法」「各種条例・法令」の新設や改正によって、法律が求める基準をクリアできなくなってしまった不動産のことです。

日本では、家やビル等を建てる際、建築基準法等を守れていないと建築許可が下りません。

しかし、各種法令の内容は、時代に合わせて毎年のように変更されています。

そのため、「昔の基準ではOKだったが、新しい基準では違反になる」ケース、つまり既存不適格物件が発生してしまうのです。

 

建ぺい率や高さ制限など!既存不適格になる例

実際に既存不適格になる例としては、以下のようなケースが考えられます。

  • 高さ制限が変更されて高さがオーバーしてしまった
  • 建ぺい率や容積率の変更で割合を守れなくなった
  • 用途地域の変更で適用させる各種条件が変わった
  • 防火性能や耐震性が現行の基準を満たせていない

たとえば土地の容積率(土地の広さに対する延床面積の上限)が200%から150%に引き下げられた場合、もともと200%近い容積率で建てた住まいは法律違反になってしまいます。

 

違法建築と既存不適格物件はまったくの別物

「法律違反の状態である」という意味では違法建築も既存不適格も同じように感じるかもしれませんが、両者はまったくの別物です。

既存不適格物件は、建設した時点だと法律を守っています。

しかし、違法建築と呼ばれる不動産は、そもそも建物を建てた時点で法律を守っていません。最初から法律に違反しているため、違法建築は既存不適格物件以上に売却するのが困難です。

これから売却しようと考えている物件が、違法建築なのか既存不適格なのかによって売却の難易度が変わってくるため、両者の違いも理解しておきましょう。

 

既存不適格物件の売却が難しい理由は建物の古さや改築の難しさなど

既存不適格物件の売却が難しいとされる理由は以下の通りです。

  • 単純に建物が古く老朽化が進んでいる
  • 増改築をする場合現行の基準に合わせる必要があるため購入後の手間が多い
  • 買主が住宅ローンを利用できない

順に解説していきますね。

 

既存不適格物件は単純に古いものが多い

既存不適格物件は、基本的に築年数の古いものが多く、建物自体が老朽化しているため、市場で人気がありません。

なお、どうして既存不適格物件に古いものが多いのかというと、既存不適格に当てはまるような大きな法改正が、比較的古い年代に行われたからです。

いくつか例をあげると、1968年の容積率導入、1976年の日影規制、1981年の新耐震基準などが対象となります。

中古不動産市場で人気のある物件は、「築浅」や「築年数が古くても適切にメンテナンスされている物件」です。

建物にも寿命があり、古ければ古いほど劣化や破損等のリスクが高くなるため、古いというだけで資産価値と売却価格が下がってしまいます。

消費者からすれば、あえて古い物件を高く買う理由がないため、既存不適格物件は売却が難しいのです。

 

リフォームや増改築に制限がかかるため市場で人気がない

既存不適格物件をリフォームしたり、増改築したりする場合、工事に合わせて「現行の法律で求められる基準や安全性」をクリアする必要があります。

既存不適格の条件によっては、高額なリフォーム費用が必要になるので注意しておきましょう。

なお、一般的な物件の場合、内装や外観をある程度好きなように手直しできます。しかし、既存不適格物件は法律や土地の利用法が制限されている関係上、リフォームの自由度も低めです。

中古不動産を購入する層は、「中古の物件を安く買って、自分たちの好きなようにリフォームしたい」と考えている人も少なくありません。
「自由にリフォームできない」ことが、売却の足かせになってしまう場合もあります。

 

住宅ローンの審査基準をクリアするのが難しい

既存不適格物件や違法建築といった、法律に違反している不動産は、住宅ローンの審査基準をクリアできません。

理由は簡単で、住宅ローンは多くの場合、「法律を守っている不動産」を購入するときにだけ使えるという条件があるからです。

住宅ローンの詳しい審査基準は非公開ですが、ローンの融資額が大きく審査の厳しい金融機関だと、建ぺい率や容積率が基準値をオーバーしている時点で審査に通りづらくなってしまいます。

不動産のような高額な買い物は、ローンを組むのが一般的です。「ローンを利用できない」ことは、不動産売却において大きな障害になります。

 

買主への説明など!既存不適格物件売却の注意点

買主への説明

既存不適格物件を売却する際は、以下のポイントに注意しましょう。

  • 既存不適格の内容を買主に説明する
  • 売り出し価格は慎重に決める
  • 安易に値引き交渉を受けない

順に解説します。

 

買主に対して物件の問題を隠さずに伝える

既存不適格物件を売却する場合、既存不適格の内容を始めとした物件のマイナスポイントを隠さずに買主へ伝えることが大切です。

中古の不動産には、相場があっても定価はありません。最終的には、買主と売主の両方が納得できるかどうかで売却が決まるので、物件の欠点や問題点を伏せて売ると、取引の要となるお互いの信頼が失われてしまいます。

不動産売却後のトラブルを避けるためにも、既存不適格物件の問題点はすべて買主に伝えてから売却するようにしましょう。

なお、売却予定物件の情報は、買主だけでなく仲介の不動産会社に伝えることも大切です。

一般市場で不動産を売却する場合、物件の宣伝広告を始めとした各種手続きの大半を業者に任せます。不動産業者と売主の間で交わす契約も、売買取引と同様お互いの信頼が基礎にあるからこそ成立するものです。

不動産会社側にうそをつくと、営業マンからの信頼を失い、既存不適格物件売却の十分なサポートを受けられなくなってしまうこともありえるので、不動産売却では隠しごとやごまかしを避けましょう。

 

相場を参考にして慎重に値付けする

既存不適格物件は、制限や問題点が多いため、同程度の間取りや広さを持った不動産よりも売却価格が安くなりがちです。
そのため、既存不適格物件を売るときは、価格だけで検討対象外にならないように値付けをしましょう。

なお、具体的な価格を決める際のポイントは、地域相場を参考にすることです。

不動産の売買価格は、地域によってある程度同じような金額帯に落ち着きます。多くの消費者は、相場を基準にして「○万円以下で手に入る物件」といった条件設定をするため、相場を越えた値付けをすると不動産は売れません。

ただ、相場通りの金額で売り出すと、人気のない既存不適格物件に注目は集まらないので、既存不適格物件は相場より少し安い金額にするのがおすすめです。

 

安易な値引き交渉を避ける

既存不適格物件のような欠点の多い不動産は、「欠点があること」を理由に、強引な値引き交渉を持ちかけられることも少なくありません。しかし、不動産売却における値引きは、どうしても物件が売れないとき、値引きをすれば買ってくれるという相手にだけ行う最後の手段です。

安易に値引きを引き受けると、「強く主張すればもっと値下げするのではないか」と足元を見られて、さらなる値引きを求められる可能性もあります。

値引きをして喜ぶのは交渉相手だけです。「値引きした」という情報が出回ると、ほかの人からも次々と値引き交渉を持ちかけられることにもなりかねないので、値引きはできるだけ避けましょう。

不動産売却時の値引き交渉に関する詳しい記事はコチラから

>>マンション売却時の値下げタイミングや値引き交渉への対応方法を解説

 

既存不適格物件を高く売却するポイントは買取業者の利用など

買取業者

既存不適格物件を最大限に高く売るポイントは、以下の3点です。

  • 市場へ出さずに買取業者へ引き取ってもらう
  • 更地にしてから売却する
  • 複数の不動産会社から見積もりを取る

 

市場へ出さずに買取業者へ引き取ってもらう

既存不適格物件は、一般人から見ると問題の多いわけあり物件なので、なかなか高くは売れません。

しかし、一般消費者から見て魅力がなくても、不動産会社から見ると魅力があるというケースは多いです。とくに、土地開発を手掛けている不動産会社なら、面倒な売却手続きを省略しつつ、短期間で不動産を買い取ってもらえます。

買い手を探して内見を受けるといった作業も不要なので、売るのが難しい既存不適格物件の売却は、専門の買取業者に相談してみましょう。

下記では不動産売却の際の「仲介」と「買取」について詳しく解説しています。

>>不動産売却における「買取」と「仲介」の違いを徹底解説!

 

更地にしてから売却する

既存不適格物件のデメリットは、建て替えやリフォームなどが大幅に制限されてしまうことです。法律に違反している建物を解体して更地にすれば、ただの空き地として売却できます。

ただし、建物がある土地と空き地を比べた場合、日本では空き地のほうが固定資産税という維持費が高くなってしまうため、注意が必要です。

売却までの期間が長引くと負担が増えてしまうため、更地にする場合は解体と売却両方の段取りを同時に進めるとよいでしょう。

 

複数の不動産会社から見積もりを取る

複数の不動産会社に見積もりを頼むのもおすすめです。相見積もりによって業者の良し悪しを見極めることができますし、見積もり結果を気になる業者に見せて、査定額を見直してもらうこともできます。

一社だけに相談すると、不動産会社選びに失敗するリスクがあるため、既存不適格物件を売るときは相見積もりを活用しましょう。

 

高く・早く不動産を売却できる一括査定サイトは?
不動産の売却をお考えなら、一括査定サイト「不動産売却 HOME4U」をおすすめします。

不動産会社選びで、家は数百万円「売値」が変わります
査定価格は不動産会社によって違うので、高く・早く売るなら、複数の不動産会社の査定価格を比較することが大切です。

 

既存不適格物件の売り方を知ってできるだけ高く売却しよう:まとめ

法改正の影響で、建築基準法等を守れなくなってしまった既存不適格物件は、リフォームや増改築等が制限されるので売りづらい住まいです。

ただし、買主への説明責任を果たし、相見積もりや買取業者への相談といったテクニックを使えば、できる限り高く売ることもできます。

物件の扱い方次第で売却価格も売却の難易度も大きく変わってしまうので、既存不適格物件売却は慎重に進めましょう。

 

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