不動産売却で「つなぎ融資」を利用する前に知っておくべき注意点

つなぎ融資

現在、多くの金融機関では、保有する不動産を売却して新居を購入しようとする人を対象に、「つなぎ融資」と呼ばれる融資を行っています。つなぎ融資を受けることで、住み替え時に必要なまとまったお金を用意できるようになるのですが、いったいどのような融資形態なのか、あまり知られていないのが実情です。

そこで今回は、そもそもつなぎ融資とは何か、つなぎ融資を利用する際の注意点は何か、どのような手順を経て利用できるのか、について詳しく解説します。

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不動産売却における「つなぎ融資」とは?つなぎ融資を受ける際の2つのパターン

つなぎ融資の形態には、大きく分けて「注文住宅を新規に建てる場合」と、「現在住んでいる家から住み替えを行う場合」の2パターンがあります。それぞれ順番に解説しましょう。

1. 注文住宅を新規に建てる際に利用できる「つなぎ融資」は住宅ローンの実行までにかかる土地代・費用の融資

つなぎ融資

新たに注文住宅を建てる際、銀行で長期にわたる住宅ローンを組み、それを建築にかかった費用に充てるというケースが一般的です。ただしその場合、住宅ローンに基づく融資が行われるのは、新居となる建物が完成し、建物表題登記・所有権保存登記などを登録し、金融機関側で抵当権を設定できるようになってからです。

ところが実際に新居を建てるという場合、建物が完成する前にある程度のお金がかかります。たとえば土地購入にかかる費用や着工金、中間金などは、家が完成する前に支払う必要のあるお金です。住宅ローンを組んで建築費用に充てるという場合でも、これら建築途上にかかる費用は事前に用意しなければなりません。

たとえば、土地購入代に3,000万円かかり、工事代金の見積もりが4,000万円で、着工金と中間金にそれぞれ20%、800万円の費用がかかるとしましょう。そうなると新築にかかる総費用である7,000万円(土地代+工事費)の住宅ローンを組む前に、建築途上で3,000万円(土地代)+800万円(着工金)+800万円(中間金)=4,600万円の費用がかかるわけです。事前に大きなお金を用意できればよいですが、将来的な住宅ローンでの支払いだけを考え、まとまった金額を用意できない場合、このままでは注文住宅を建てることはできません。

こうした場合に利用できるのが、新居の完成前に融資を受けられる「つなぎ融資」です。上記の例の場合、土地購入代・着工金・中間金の計4,600万円を対象として、金融機関からつなぎ融資を受けることができます。つなぎ融資の返済は、家が完成したときに実行される住宅ローンの融資金で行われるので、文字どおり「新居の建築から完成までの間のつなぎの融資」であるわけです。つまり上記の例でいうと、4,600万円(つなぎ融資の返済金)+残余代3,400万円=7,000万円の住宅ローンを組み、返済していきます。

2. 住み替えを行う場合に利用できる「つなぎ融資」は「買い替えつなぎ融資」と「抵当権抹消つなぎ融資」

住み替えを行う場合、現在住んでいる家を売却し、それにより得たお金を新居購入の費用に充てるという方は多いでしょう。その場合、現在住んでいる家が売却できた後に購入資金が必要となる状態となれば問題はありませんが、購入資金がすぐに必要なのに、住んでいる家の売却が決まらないという事態も起こり得ます。

そうした、資金を必要とするときと、住んでいる家の売却によってお金を得られるときのタイミングのズレを埋めるために行われる融資が、住み替え時における「つなぎ融資」です。つなぎ融資の返済は、家を売却できたときに得られたお金を充てれば済みます。つまり、新居の購入時点と、現在住んでいる家の売却時点の間だけの「つなぎ」の融資を受けるわけです。こうしたつなぎ融資のことは、「買い替えつなぎ融資」と呼ばれています。

ただし、住み替えのために現在住んでいる家を売却する場合、売却によって得られるお金よりも残っている住宅ローンの総額のほうが高いと、自己資金を充てない限り売ることはできません。たとえば、10年前に1億円で購入し、まだ6,000万円の住宅ローンが残っている家の売却査定額が5,000万円だった場合、正式に売り払うには差額分の1,000万円を補う必要があるわけです。

このとき、もし手持ちのお金が不足しているならば、差額分についてつなぎ融資を受けることができます。この場合のつなぎ融資の返済は、購入する新居の住宅ローンに上乗せして行われるのが基本です。このタイプのつなぎ融資は、融資により家を売却して抵当権を相手に引き渡せることから、「抵当権抹消つなぎ融資」と呼ばれています。

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不動産売却で「つなぎ融資」を利用する際の3つの注意点

金利

一見すると便利に見えるつなぎ融資ですが、利用する際に注意すべきポイントがあります。「融資」というと聞こえはよいですが、実際には短期間とはいえ借金をすることです。安易に利用すると、後で大きな金銭的な負担を背負うことになる恐れもあります。

1. つなぎ融資の利息は高い!事務手数料や印紙代などの費用もかかる

「融資」というと聞こえはよいですが、つなぎ融資の実態は借金です。しかも、基本的に無担保で融資を受けることになるため、通常の住宅ローンよりも金利が高く設定されています。さらにつなぎ融資を受けるには、融資事務手数料や金銭消費賃貸借契約証書の印紙代などが必要になるなど、いろいろと費用がかさむので注意が必要です。利息のことも考えると、短期で返済する場合であっても、つなぎ融資を受けないほうが出費を減らせるのは間違いありません。

2. 借入期間内に返済できないときは住んでいる家を安く手放すことになる

特に住み替えでつなぎ融資を受ける場合、現在住んでいる家が予定どおりに売却できないと、借入期間が長くなってそれだけ利息の負担が大きくなってしまいます。通常、つなぎ融資の借入期間は1~12ヵ月と短期であり、その期間内に住んでいる家を売却し、得られたお金で返済してもらうことを想定しているわけです。もし借入期間を過ぎても売却できないときは、「仲介業者に買い取ってもらう」ことを融資契約に定めていることが多く、その場合の買取価格は本来の査定額の7割程度になってしまいます。今住んでいる家が売れそうにないときは、つなぎ融資は受けないほうがよいでしょう。

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3. 審査が通らない場合もあるので注意!審査が終わるまで1ヵ月程かかることもある

つなぎ融資は金融機関によるお金の貸付であるため、その実施に当たっては念入りな審査が行われます。事前審査、本審査と2回にわたって行われ、どちらもパスしなければつなぎ融資の対象とはなりません。審査が終わるまで約1ヵ月かかることもあるので、審査期間の間に工事費の支払日や購入資金を用意すべき日が来てしまう場合もあります。

不動産売却で「つなぎ融資」を利用する際の手順

金融機関の窓口

続いて、つなぎ融資を受けて返済するまでの利用手順について解説します。つなぎ融資は利用するタイミングが大事ですので、どのようなプロセスの中で融資を受け、返済するのかを、事前に理解しておくことが大事です。

金融機関の窓口に相談!審査を経て融資をするかどうかの結果が伝えられる

つなぎ融資を金融機関に申し込む場合、まずは各機関に相談する必要があります。最寄りの金融機関の店舗に直接来店する、電話で相談する、オンラインで相談の申し込みをするなどの方法があるので、自分に合った形で相談を持ち掛けましょう。その際、保有する不動産や希望融資額、ほかに借り入れを行っていないか、などを聞かれるので正確に答えます。

実際につなぎ融資の申し込むことを決定したら、正式な申込を行うため、各金融機関が用意する書類に必要事項を記載し、提出しなければなりません。その後、金融機関が審査を行うので、それが終わるまで待ちます。審査が終わると、つなぎ融資を行うかどうかの最終結果が申込者に伝えられます。融資が決まったなら、最後に正式な契約書の取り交わしを行って手続きは修了です。

保有する不動産の査定額を知るため不動産業者に相談する必要もある

現在住んでいる家を売却する際につなぎ融資を受けるのであれば、まずは不動産業者に相談しなければなりません。つなぎ融資は不動産業者が算定した査定額を基に融資額が決定されるため、不動産業者の協力は不可欠です。

また、つなぎ融資を行うにあたって、「もし借入期間(通常は1~12ヵ月)内に現在住んでいる家を売却できなかった場合、不動産会社に買取を行ってもらう」という契約を結ぶ金融機関も多いです。その場合、不動産の買取サービスを行っている不動産業者に協力してもらう必要があります。つまり、不動産売却でつなぎ融資を受けるときは、不動産の査定と買取に応じてくれる不動産業者を探す必要があるわけです。ただし、すべての不動産業者がつなぎ融資に対応できるわけではないので注意しましょう。

つなぎ融資は出費・損失がかさむ恐れがあるため慎重に検討しましょう

不動産売却によるつなぎ融資を行う場合、現在保有している不動産(住んでいる家)を本当に計画どおりに売却できるのか、十分に吟味する必要があります。もし、売れると計画していたのに実際には売れなかったら、場合によっては当初考えていたよりも、はるかに安い金額で売り払われてしまう事態も起きかねません。新居に引っ越して心機一転しようとしていたのに、つなぎ融資によって大きな経済的な損失に直面してしまうと、精神的に大きく落ち込んだ状態から新生活をスタートさせることになるでしょう。そのような状況を避けるために、つなぎ融資の内容をきちんと理解し、安易な利用は避けるのが無難です。